救急車ってどんなクルマ?
- 救急車ってどんなクルマ?
- 救急車の多くは、みんなの住んでいる町の消防署にあります。
119番通報を受け、ケガや急病で困っている傷病者のもとへかけつけ、
命を救うための処置をして、病院まで安全に搬送するためのクルマです。
- マメ知識:どれくらい出動しているの?
日本全国の救急出動について
救急出動件数:667万件/年
現場到着所要時間の平均:8.7分(出動~現場に到着するまでの時間)
病院収容所要時間の平均:39.5分(現場~病院に到着するまでの時間)
(総務省消防庁:令和2年版 消防白書より引用) - 高規格救急車って何?
- 傷病者を病院まで安全に搬送することが役目の救急車ですが、
病院に搬送する前に特定の処置をすることで救えるかもしれない命があります。
ひとりでも多くの命を救うため、救急隊員が特定の処置ができるよう、
1991年(平成3年)に救急救命士法が制定されました。 - それに併せて、それまでの「搬送をするための救急車」とは異なり、
救急救命士の資格を持っている救急隊員が救急車の中で特定の処置ができるよう
救急車の標準的な仕様(=命を救うための処置ができる救急車)が定められました。 - この標準的な仕様に基づき、特定の処置ができるようにつくられた救急車が
高規格救急車と呼ばれています。
トヨタ自動車では、1992年(平成4年)から「ハイメディック」という名前の
高規格救急車をつくっています。
(「高度(High)な医療(Medical)を備えたクルマ」という造語です。)- マメ知識:警光灯の進化
昔の救急車は、今のような大型の警光灯ではなく、回転灯が屋根に取付されていました。
交通環境の変化や材料の進化に合わせて、より目立つよう大型化、
現在は明るく高寿命なLED式の警光灯になりました。緊急走行中は他の交通に自分の存在をアピールする必要があるため、
時代に合わせてそのカタチも進化しています。 - 日本には何台の救急車があるの?
- 日本には、6,443台の救急車があります。
このうち、6,279台(97.5%)が高規格救急車です。
- マメ知識:消防組織ってどんな感じ?
日本全国に726の消防本部、1,719の消防署、3,106の出張所があり、
166,628人の人が消防職員として働いています。救急隊は全国で5,270隊あり、28,115人が救急救命士として働いています。
(救急救命士の資格を持っている消防職員の人は40,043人います。)
(総務省消防庁:令和2年版 消防白書より引用) - 運転に必要な免許ってあるの?
- 救急車を運転するためには、普通運転免許が必要です。
意外に思われるかもしれませんが、オートマチック車限定でも運転できます。
(救急車以外にポンプ車やはしご車を運転したい人は、準中型以上の免許が必要です。)
運転免許とは別に、各消防本部が実施している救急車を運転するための講習を受講、
運転の練習を積むと、晴れて一人前の機関員(運転手)になります。 - サイレンの音はどんな感じ?
- 救急車が緊急走行のときに鳴らすサイレンは、「ピーポー」です。
渋滞を避けて走る必要があるとき、赤信号の交差点を通過する必要があるとき、
より周りに気付いてほしいときは「ピーポー」の他に「ウー」音を鳴らします。 - 何で赤いラインが入ってるの?
- 救急車というと、白いボディに赤いライン(赤帯)が入っているクルマを想像されると思います。
白いボディは「道路運送車両法」にて定められていますが、
赤いラインを入れなさい、とは定められていません。諸説ありますが、救急業務が始まった頃、赤十字社が白い救急車を使用していたため、
赤十字社の救急車と区別するために赤いラインを入れたのがはじまりだと言われています。現在では、夜間の被視認性を向上させるために、反射する赤帯を貼付けている車両や、
周囲の人を驚かせないよう配慮して青色のラインを入れている車両もあります。 - あのヘビのマークって何?
- ときどき見かける「白色のヘビが描いてある青い星のようなマーク」。
1973年にアメリカ合衆国運輸省幹線道路交通安全局(NHTSA)が、
赤十字との類似を避けるためにデザインした救急医療のシンボルマークで、
スター・オブ・ライフと呼ばれています。マーク中央にデザインされている杖は「アスクレピオスの杖」と呼ばれるもので、
ギリシャ神話に登場する医学の神様アスクレピオスに由来しています。青い星のようなマークにも意味があり、上から時計回りに、
知覚、通報、出場、現場手当、搬送中手当、医療機関への引き渡し、という
救急医療の基本の意味が込められています。